【終了】令和3年度「戦争史研究国際フォーラム」開催について

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令和3(2021)年は、1991年の湾岸戦争から30年という節目の年に当たります。湾岸危機とそれに続く湾岸戦争は、冷戦終結後の世界が初めて直面した安全保障上の大きな危機であり、その過程で政治外交や軍事をはじめとする様々な領域に対して、広範な影響をおよぼすことになりました。また、2001年のアメリカ同時多発テロと、以後の中東におけるアメリカの軍事介入の経緯を考えるうえでも、湾岸戦争がきわめて重要な伏線の一つとなったことはいうまでもありません。

現代世界の安全保障環境にも大きく関わるこの戦争をめぐって、各種資料が徐々に公開されるようになったこともあり、近年では歴史的な再検討もおこなわれるようになってきました。防衛研究所戦史研究センターでも、過去5年間にわたって湾岸戦争の研究を実施し、その成果を『湾岸戦争史』として今年3月に刊行したばかりです。

そこで今年度の本フォーラムでは、「歴史としての湾岸戦争」と題して、冷戦終結という国際秩序の変動期にあって世界が湾岸危機および湾岸戦争にいかに向き合い、そして湾岸戦争がその後の国際政治をいかに方向づけたのか議論します。日本および海外の一線級の研究者・実務家を登壇者に迎え、軍事面と政治面を中心に幅広く検討するとともに、この戦争の歴史的位置づけを大局的に考察することを試みます。

新型コロナウイルスの問題が続くなかではありますが、今年度はオンライン会議の形態を取り、2年ぶりに一般公開の形で開催することとなりました。今後、防衛研究所ホームページ内に特設サイトを設ける予定となっておりますので、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。更新情報等は、ホームページおよび防衛研究所Twitterでも随時発信してまいります。

ご多用中のことと存じますが、多くの皆様のご来聴を賜りたく、ご案内申し上げます。

日時・開催形態

令和3年9月14日(火)09:00~18:00
(二部構成:第一部09:00~12:00、第二部15:00~18:00)
Zoomウェビナーによるオンライン会議での開催(日英同時通訳付)

登壇者一覧・プログラム

第一部「軍事史のなかの湾岸戦争」09:00~12:00(米国東部夏時間:前日20:00~23:00

09:00~09:45 基調講演
デイヴィッド・A・デプテュラ(米空軍退役中将)
「湾岸戦争を振り返る」

09:45~11:00 発表(各25分)
ウィリアムソン・マーレー(米オハイオ州立大学名誉教授)
「湾岸戦争の軍事的考察」

カーター・マルケイジアン(米海軍分析研究所(CNA)研究員)
「湾岸戦争のアメリカ軍への教訓」

塚本勝也(防衛研究所理論研究部社会・経済研究室長)
「湾岸戦争と軍事イノベーション」

第二部「国際政治史のなかの湾岸戦争」(15:00~18:00、英国夏時間:07:00~10:00

15:00~15:45 基調講演
ローレンス・フリードマン卿(英ロンドン大学キングスカレッジ前副学長)
「20世紀の国際政治史における湾岸戦争」

15:45~17:00 発表(各25分)
ヒュー・ストローン卿(英セントアンドリュース大学教授)
「イギリスにとっての湾岸戦争」

スティーブン・バジー(英ウーバーハンプトン大学教授)
「最初のメディア戦争」

田所昌幸(慶應義塾大学教授)
「日本にとっての湾岸戦争」

17:00~17:20 各登壇者によるコメント
17:20~18:00 質疑応答

(注)発表タイトルはいずれも仮。